映画「チャーリーとチョコレート工場」に登場する、謎の小さいおじさん。
チョコレート工場において、主のウィリー・ウォンカにとって欠かせない存在である彼らですが、その正体はかなり謎めいていますよね。
「あの小さなおじさんたちは何者⁉」――そんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
私も気になったので、彼らについて調べてみました。
この記事では、あの不思議な存在である小さなおじさんの正体や魅力についてまとめています。
※2月13日の金曜ロードショーにて「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」が放映予定。
チャーリーとチョコレート工場の小さいおじさんとは?
チャーリーとチョコレート工場は、イギリスの小説家ロアルド・ダールが1964年に発刊した児童小説『チョコレート工場の秘密』を原作にして制作された映画です。
ダールの小説『チョコレート工場の秘密』は、世代を超え今もなお世界で愛されている児童文学の名作。
そんなダールの名作小説から生まれた、ユーモアあふれる個性派キャラクターが、ウォンカのチョコレート工場で働く小さいおじさん――ウンパルンパです。
映画版でもその存在感は強烈で、チョコレート工場を支えている、とても重要な存在です。
そんな彼らの特徴とは?
ウンパルンパの最大の特徴は、やはりあの小さな体です。
映画版では小人や小柄を通り越し、かなりミニサイズ。
個人的には「小さすぎるでしょ!」とツッコんでしまうほどの小ささです。
特徴的なのは、その小ささだけではありません。
褐色の肌に、少し尖ったシルエットの風変わりなおだんごヘア
白黒のストライプ模様の服の上から、ジャンプスーツ風のカラフルな作業着を着て、無表情のまま歌い踊る姿。
そして、工場で働くウンパルンパ全員が同じ顔をしているという、ちょっとホラーでユニークなビジュアルも印象的です。
余談ですが、私は毛生えアメの試作品を食べた結果、全身を長い毛で覆われてしまった毛むくじゃらのウンパルンパが好きです。
そして彼らの見た目は、作品ごとに少しずつ変化しています。
原作初版では黒い肌の人として描かれていましたが、改訂版では白い肌と金茶色の長髪へと変更。
映画ではさらに独自のビジュアルが加えられ、1971年版ではオレンジ色の肌と緑の髪、2023年版では同じ特徴を保ちつつ、より紳士的な装いに変わっています。
各作品で彼らのビジュアルに違いはあるものの、見た目からもかなり個性的なキャラクターであることは共通しています。
チョコレート工場での彼らの仕事とは?
ウォンカのチョコレート工場で行われる仕事は、独特でユニークな業務ばかりです。
工場で働く彼らの役割はさまざまです。
働き者のウンパルンパたちは、無表情ながらも忠実に仕事をこなしています。
その仕事は、牛をムチで叩く、おかしな試作菓子の味見、ピンク色の羊の毛を刈る、人形のヤケド治療にあたるなど幅広く、心理カウンセラーや秘書、美容師などの仕事もこなし、ウォンカを支えています。
また、茶目っ気たっぷりでいたずら好きな彼らは、工場を訪れた生意気で行儀の悪い子どもたちに、ウォンカと一緒におしおきをしたり、その後のフォローもする役割を担っています。
巨大で特殊なチョコレート工場は、ウンパルンパなしでは成り立たないほど、彼らの存在が欠かせません。
その思いが後継者を見つけようと子どもたちを工場に招待する物語へとつながっていきます。
チャーリーとチョコレート工場の小さいおじさんの正体は?|ウンパルンパの謎
クセが強くて個性的、それでいて真面目な働き者のウンパルンパ。
その正体は、ルンパランドからやってきた、小さな“架空の種族”なんです。
ですので、ウンパルンパは個人名ではなく、種族名ということになります。
原作小説の初版では、ウンパルンパは実在するアフリカのピグミー族(低身長の民族)として描かれていましたが、その表現が差別的と問題視されました。
作者は差別の意図を否定し、改訂版では設定が見直され、架空の「ルンパランド」に住む小人として描かれるようになりました。
ウンパルンパはなぜ、チョコレート工場に?
ウンパルンパたちは、祖国のルンパランドでは猛獣を恐れて、木の上で生活していました。
彼らは、まずいイモ虫を主食とし、味を良くするため他の虫や植物の皮などを混ぜて食べていました。
そんな彼らの大好物はカカオ豆。
貴重で幻とされるカカオ豆に飢えていました。
フレーバーを求めてルンパランドにやってきたウォンカは、ウンパルンパの長に、工場で働けばカカオ豆が食べ放題、しかも給料はカカオ豆だと提案します。
こうしてチョコレート工場に住み込み、働くことになったウンパルンパたち。
個人的に、給料のカカオ豆ってどれくらいなの?など、いくつか疑問はありますが、どうやら「好きなだけ」という条件で支払われているようです。
チャーリーとチョコレート工場の小さいおじさんの歌|ウンパルンパのブラックジョーク
ウンパルンパの歌は、工場の見学中に、身勝手な子どもが問題行動を起こしたあとで歌われる、皮肉たっぷりのユーモラスな歌詞が絶妙な毒ありジョークソング。
歌詞にはそれぞれ登場する子どもたちの名前が入っており、子どもたちの失敗を皮肉った言葉で綴られています。
劇中で歌われるウンパルンパソングはこちら↓
・オーガスタス グループ(Augustus Gloop)
・バイオレット・ボーレガード(Violet Beauregarde)
・ベルーカ・ソルト(Veruca Salt)
・マイク・ティービー(Mike Teavee)
※字幕版と日本語吹き替え版では、歌詞の表現が少し異なります。
個人的に、短くシンプルに翻訳されてる吹き替え版の方の歌詞が好きで、思わず特定の単語がツボにハマり、笑ってしまったことがあります。
シンプルな悪口、辛辣なイヤミ、想像するとちょっと怖い言葉が織り交ざった歌詞は、人によっては思わず笑ってしまうポイントだと思います。
そしてもうひとつの魅力が、独特で不思議なあの踊り。
シンプルな振付ながら、ときにダイナミックで独特な動きを見せる踊りは、とても愉快で印象的。
しかも、真顔でロボットのように踊る彼らの姿は、どこかシュールで面白いです。
ウンパルンパの歌と踊りは、ブラックユーモアと独特な演出が融合した、不思議な世界観が魅力です。
チャーリーとチョコレート工場の小さいおじさん役の俳優|ウンパルンパを演じているのは誰?
ウンパルンパ役を演じているのは、ナイロビ出身の俳優ディープ・ロイです。
両親がインド人で、インド文化にルーツを持ち、イギリスを拠点に活動してきた俳優です。
俳優志望だったものの、父親の勧めで16歳から会計学を学び、18歳で中退。
その後、コメディアンになりたいとスタンダップコメディを始め、ロンドンのクラブで舞台に立っていました。
1976年に俳優デビューして以来、数多くの作品に出演する一方で、スタントマンとして参加した映画も多く、俳優のみならずスタントマンとしても活躍しています。
身長は132cmと小柄で、その身長を生かした小柄な役柄を演じることが多かったそうです。
本作の監督でもあるティム・バートンの作品では、「猿の惑星」「ビッグ・フィッシュ」にも出演しており、「チャーリーとチョコレート工場」はバートン作品で3度目の出演となりました。
監督も称えた、その働きぶりとは?
本作においても強い存在感を放ち、ウンパルンパという個性的な役柄を見事に演じきったディープ・ロイ。
しかし、現場での彼の仕事はかなり過酷なものでした。
当初は、彼の顔と同じマスクを被った別の人と一緒に踊る予定でしたが、身長の条件に合う人が見つからず、最終的に彼自身が「自分でやる」と申し出た結果、165体ものウンパルンパが誕生。
彼が一人ですべてのウンパルンパを演じていますが、モーションコントロールカメラとデジタル複製技術を駆使し、幾度となく同じ場面を撮影することで、彼の分身が並ぶ映像を作り出しました。
その撮影回数はきわめて膨大で、なんとワンシーンだけでも数十回に及ぶことがあったといいます。
それぞれの音楽パートに約1か月のリハーサルが行われ、撮影期間を含めるとおよそ半年にも及びました。
また、製作中は見た目を維持するため特別な食事制限が課され、体形は週ごとに細かくチェックされました。
さらに、ピラティスや歌のレッスンに加え、登山にも挑戦し、歌や楽器(ギターやドラム)の練習にも取り組んでいました。
いつも早朝に起きて、夜8時まで仕事をしていたそうですよ。
彼は「チャーリーとチョコレート工場」が、これまで出演した作品の中でも、体力的にも精神的にも最も過酷な作品のひとつだったと、とあるインタビューで答えています。
また、バートン監督は、そんな彼を「ショービズ界で最も働き者」と称したといいます。
ちなみに、1971年の「チョコレート工場の秘密」では、後に「ハリー・ポッター」シリーズのゴブリン役で知られるラスティ・ゴフら、10人の小柄な俳優がウンパルンパを演じ、2023年の「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」では、ロマコメの帝王として知られるヒュー・グラントが同役を務めています。
チャーリーとチョコレート工場の小さいおじさんは…|ウンパルンパの魅力とは?
ここまでウンパルンパというキャラクターについてお話してきましたが、歌や踊り、その存在を振り返ると、彼らの魅力はとても多面的だとあらためて感じます。
私は、あの小さな体、ウンパルンパという存在そのものに、やはり魅力を感じますね。
目や表情、サイズ感、動き――なんとも言えない、あの独特の雰囲気。
個人的には、ディープ・ロイさん演じるウンパルンパをとてもかわいらしいと思っているのですが、なぜかまわりの人にはあまり理解されません。
もちろん、ミュージカルシーンも好きで、とくにベルーカ・ソルトの場面での踊りの動きや、
マイク・ティービーの場面でバンドマンに扮した、激しめな彼らには思わず笑ってしまいました。
きっと観る人によって、彼らに感じる魅力や心に残るポイントも少しずつ違うのではないでしょうか。
私が感じた結果として、ウンパルンパの魅力は、結局のところ一言では言い尽くせません。
面白くて、おじさんなのにかわいくて、陽気でふざけている一方で、少し怖さもあり、どこかミステリアス。それでいて真面目で働き者で、ブラックユーモアのセンスまで抜群。
主役のチャーリーやウォンカに引けを取らない存在感を放っていました。
彼らを演じたディープ・ロイさんの影での努力と尽力があってこそ、ウンパルンパは物語を彩る欠かせない存在として、よりユニークなキャラクターへと昇華されたのだと思います。
ウンパルンパは作品ごとに描かれ方が異なっているので、見比べながら観てみるのも面白いのではないでしょうか。
この記事が、「チャーリーとチョコレート工場」をあらためて楽しむきっかけになれば幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
※本記事は、出演作品情報や海外インタビューなどの公開情報を参考にし、筆者の解釈を交えてまとめています。


コメント